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【フィギュアスケート】4回転ジャンプの種類と難易度は?

フィギュアスケート

フィギュアスケートをテレビで見るとき、これまで4回転ジャンプが成功するかしないかだけに注目してましたが、2019年シーズンに入ってから「ルッツ」とか「フリップ」とか技の名前を頻繁に聞くようになり、ジャンプの種類や難易度が気になったので調べてみました。

フィギュアスケートのジャンプは6種類

男子なら4回転ジャンプ、女子ならトリプルアクセルが成功すればスゴい(高得点が出る)くらいの認識でしたが、あらためて調べてみるとフィギュアスケートには6種類のジャンプがあります。

  • トウループ
  • サルコウ
  • ループ
  • フリップ
  • ルッツ
  • アクセル

どれも聞いたことがあるものばかりです。テレビで見てると解説者がジャンプした後に、すぐに「トリプルトウループ」とか「ダブルアクセル」など言ってくれるので、言葉じたいはわかるのですが何が違うのかがわかりません。

今まではジャンプがミスなく成功するかを見てるだけでも、なんか楽しめていたので種類まで覚えようとしてなかったです。

でも最近は、4回転ジャンプも成功するのが当たり前のようになってきて、種類を覚えないとどれが凄いジャンプなのかわからないし、何より楽しめないかなと……。

調べる前の段階で、唯一わかるのはアクセルだけですね。

トウループジャンプ(Toe loop jump)

トウループジャンプ反時計(左)回りの場合、右足で後ろ向きに入り、左足のつま先(トゥ)を突いて右足で踏み切る。ジャンプは全て右足で降りるため、着氷後直ちにジャンプ出来るトゥループはコンビネーションのセカンドジャンプで多用される。6種類の内、点数は一番低い。

引用:dmenu スポーツ

いちばん簡単なジャンプといわれる理由は、最も自然な流れから跳ぶことができるから。(助走とジャンプの回転方向が同じ)

男子フィギュアスケートの4回転ジャンプで、最も多い跳び方がこのトウループです。私が今まで認識していた4回転ジャンプは「4回転トウループ」ということになりますね。

サルコウジャンプ(Salchow jump)

サルコウジャンプ反時計(左)回りの場合、左足で後ろ向きに入り、右足を振り上げて左足で踏み切る。近年はコンビネーションに組み込まれ、3回転+1オイラー+3サルコウの3連続ジャンプとしてよく見られるようになった。6種類の内、点数は一番低いトゥループと同程度に設定されている。

引用:dmenu スポーツ

トウループが氷面をつま先で蹴り上げて跳ぶのに対して、サルコウは足を振り上げて跳ぶジャンプ。

難易度はトウループと同様に、助走とジャンプの回転方向が同じなので、2番目に簡単なジャンプとなっています。

サルコウの特徴は、ジャンプする直前に両足が「ハ」の字みたいになること。(なんか見たことある!)

でも、羽生結弦選手の「4回転サルコウ」のように、最近は「ハ」の字にならない選手も多くなってきているのだとか。


女子フィギュアスケート選手だった安藤美姫さんが、女子で世界初成功した4回転ジャンプが「4回転サルコウ」です。(2002年ジュニアGPファイナル)

安藤美姫出典:エキサイトニュース

いちばん難易度が簡単なトウループではなく、サルコウだったんですね。

ループジャンプ(Loop jump)

ループジャンプ反時計(左)回りの場合、右足で後ろ向きに入り、そのまま右足で踏み切る。ループもトゥループ同様に着氷後直ちにジャンプ出来るが、ループは降りた右足だけで踏み切るため、コンビネーションのセカンドジャンプでタイミングを合わせるのは難しい。3回転+3ループは回転不足のリスクがあり、希少な技となっている。6種類の内、点数は一番低いトゥループとサルコウより一段階上に設定されている。

引用:dmenu スポーツ

ループは滑ってきた勢いをそのまま利用して跳ぶジャンプ。特徴は跳ぶ直前に腰をおろすので、イスに座るような状態になること。

2016年9月30日、カナダのモントリオールで開催された「オータムクラシック インターナショナル2016」男子ショートプログラム(SP)で、世界初となる「4回転ループ」を成功させたのが羽生結弦選手です。

羽生結弦出典:日刊スポーツ

フリップジャンプ (Flip jump)

フリップジャンプ反時計(左)回りの場合、左足で後ろ向きに入り、右足のつま先(トゥ)を突き、左足のエッジ(刃)は「インサイド(親指側)」で踏み切る。明確にインサイドでなければ「エッジエラー」の減点を受ける。6種類の内、点数は中程度に設定されている。

引用:dmenu スポーツ

トウループと同じで、つま先で跳ぶジャンプです。違いはフリップの場合は足がトウループと逆になっているところ。

「4回転フリップ」を世界で初めて成功させたのは、これまた日本の選手で宇野昌磨選手です。

宇野昌磨出典:産経ニュース

2016年4月22~24日、米ワシントン州スポケーンで開催された「コーセー・チームチャレンジ カップ」でショート、フリーの2夜連続で成功するという快挙でした。

ルッツジャンプ (Lutz jump)

ルッツジャンプ反時計(左)回りの場合、左足で後ろ向きに入り、右足のつま先(トゥ)を突き、左足のエッジ(刃)は「アウトサイド(小指側)」で踏み切る。明確にアウトサイドでなければ「エッジエラー」の減点を受ける。6種類の内唯一、助走の流れとは逆方向にジャンプしなければならず、左足アウトサイドエッジで踏み切ることも難しく、最高難度のアクセルに次ぐ点数となる。

引用:dmenu スポーツ

後ろ向きから左足で入り、右足のつま先で蹴り上げるのはフリップと同じですが、左足のスケートシューズの使うエッジがフリップは内側(親指側)に対して、ルッツは外側(小指側)という違いがあります。

アウトサイドエッジを使わないといけないので、助走のときにジャンプの回転方向とは逆方向に弧を描いて入ることになり、難易度が高いのです。

アウトサイドエッジでの踏み切りが難しいだけでなく、助走の力も活かせないため、後ろ向きから入るジャンプの中では最高難度となっています。

「4回転ルッツ」の成功者は?

ブランドン・ムロズブランドン・ムロズPhoto by testing/Shutterstock.com

公式戦で初めて4回転ルッツを成功させたのは、米国のブランドン・ムロズ(Brandon Mroz)選手。(2011年 NHK杯)

金 博洋金 博洋(ボーヤン・ジン)出典: CHUNICHI Web

中国の金 博洋(ボーヤン・ジン)選手は、4回転ルッツと3回転トウループのコンビネーションジャンプも成功させています。

ネイサン・チェンネイサン・チェン(Nathan Chen)出典:スポニチ

米国のネイサン・チェン(Nathan Chen)選手は、4回転のトウループ、サルコウ、ループ、フリップ、ルッツを公式戦で成功させていて、史上初の4回転5種類ジャンパーとなっています。

羽生結弦羽生結弦 4ルッツ出典:朝日新聞 映像報道部

2017年10月に開催されたフィギュアスケートグランプリ(GP)シリーズのロシア杯で羽生結弦選手も「4回転ルッツ」に成功しています。

アクセルジャンプ(Axel jump)

アクセルジャンプ(Axel jump)反時計(左)回りの場合、左足で前向きに踏み切る最高難度のジャンプ。唯一前向きに踏み切り、他のジャンプより半回転多い。ISU史上、女子の3アクセル成功者は数少なく、現時点で4アクセルの公式成功者は出ていない。

引用:dmenu スポーツ

これまで紹介してきたジャンプが後ろ向きから踏み切るのに対して、アクセルは6種類の中で唯一、前向きから踏み切るジャンプ。「トリプルアクセル」があまりにも有名なので、すでに知っている方も多いはず。

4回転半ジャンプの「クワッドアクセル」は、男子でも公式戦で成功させた選手はいないので、すべてのジャンプの中では最高難度となっています。

羽生結弦選手が2019年12月6日、イタリアのトリノで開催された「フィギュアスケート・GPファイナル」の会場で、公式練習としては初めて「クワッドアクセル」に挑戦しました。

何度も転倒し、成功とはならなかったですが公式戦で成功する姿を見てみたいものです。

4回転ジャンプの難易度

ジャンプの種類で難易度が簡単な方から紹介してきたので、すでにわかるかと思いますが、トウループ < サルコウ < ループ < フリップ < ルッツ < アクセル の順で難易度が上がっていきます。

トウループ(難易度:★☆☆☆☆)
サルコウ (難易度:★☆☆☆☆)
ループ  (難易度:★★☆☆☆)
フリップ (難易度:★★★☆☆)
ルッツ  (難易度:★★★★☆)
アクセル (難易度:★★★★★)


3回転でも4回転でもジャンプの種類(跳び方)は共通なので、回転数の多いほど難易度が高く、基礎点も高くなっていきます。

女子フィギュアスケートも4回転ジャンプの時代に

2019年シーズンからは、トリプルアクセルを武器に紀平梨花選手が活躍してくれると思っていたのですが、このシーズンからシニアデビューとなったロシア3人娘が凄まじい活躍を見せました。

その3人とは、トルソワ、シェルバコワ、コストルナヤです。

全部で6大会あるグランプリシリーズをロシアの3選手がすべて優勝を飾っています。


2019年 ISUグランプリシリーズの優勝者

第1戦:スケートアメリカ
シェルバコワ

第2戦:スケートカナダ
トルソワ

第3戦:フランス国際
コストルナヤ

第4戦:中国杯
シェルバコワ

第5戦:ロステレコム杯(ロシア)
トルソワ

第6戦:NHK杯(日本)
コストルナヤ

そして、このロシア3人娘がすごいのはジャンプ。

トルソワがフリーに3種類の4回転ジャンプを4本も組み込み、シェルバコワもフリーで難易度の高い4回転ルッツを2本入れている。

コストルナヤは4回転ジャンプではないが、トリプルアクセルをショートで1本、フリーで2本入れています。

女子フィギュアスケートでは、つい最近までトリプルアクセルが成功するかが注目の的だったのに、いまや4回転ジャンプですからね。

ジャンプの種類を見分けるまでは難しいかもしれませんが、この機会に難易度だけでも覚えておきましょう。

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